山荒の鳴く夜

ならば尚の事解せぬ。

何の為に山荒を探すのか。

隠し事は苦手らしく、椿の顔にその思いがそのまま出た。

それを汲み取るかのように。

「油小路であの化け物に助けられた…いや、奴はそのつもりはなかったんだろうが、結果としてそうなっちまったと言うかな…」

平助が言う。

その表情からは笑みが消え、歯噛みすらしているように見える。

「借りを借りのまま終わらせねぇ主義なんだよ…」

「殺すのか?山荒を」

人外がどうなろうと知った事ではない。

ただ何となく、椿は平助に問いかける。

「どうかな…」

視線を僅かに下げ、平助は呟いた。

「仲良くお話しましょうって雰囲気じゃねぇからな、奴は…人外らしく、血と修羅場を好んでる節が奴には見える…一戦交えるのもやむ無しかもな」