「やっと聞いてくれる気になった?!」



なんて、満足気に言ってくる拓海にイラッとしながらも



「何?」



聞いてあげることにした。





「実はさ、乃愛に会いたいって言ってる先輩がいてさ。


九条 龍さんって
乃愛も聞いたことあんだろ?」


ええ、ありますとも。



「拓海系の間では有名なお方なんでしょ?」



女遊びと喧嘩三昧な
あたしの3つ上のその人は、
地元の超有名人。




「そうそう!
会ってもらえると助かるんだけど!

龍さん、なんか乃愛のこと
道で見て気に入ったらしくて」


なぁんて、あたしの様子を見ながら喋る拓海


てか気に入ったって、
一体何様のつもりだよ