それ以来、なんとなく
俺もリアの隣で
空を見上げるようになった。



リアは自分から俺に話しかけてくる様子は一切なかったが、迷惑そうな様子もなかった。



「ねぇ、りあちゃん。」



「………なに?」



「りあちゃんには、パパいる?」



「………いない。」



「僕もなんだ。パパ、ほしいと思わない?」



「…………なんで?」



「だって、みんなにはパパがいるじゃないか。」



「…パパ、いなくて、あんたは不幸なの?」



リアの、真っ黒な瞳が
強く光ったような気がした。



「……ううん。」


「じゃあ、別にいいじゃん。」



リアは、少し、

笑ったような気がした。