あの頃の私は

イリヤを傷つけるもの全てを傷つけたくてたまらなかった。



だけど、そんな勇気も力も私にはなかった。



それならせめて


私も傷つきたかった。




イリヤの傷や痛みを分け合うことなんて、無理だから。


だって、私はイリヤじゃないし

イリヤは私ではない。




まぁ、そんなことを思っていたのも


イリヤが今みたいになる前のことだけれど。