「ねぇ、あたしが死んだら、どうする?」



空になった缶を、イリヤに返しながら
私は問いかけた。




イリヤは一瞬、眉をしかめた。




「背中にでっかい、ハートを掘るよ。」




「ハート?」




「おう。お前の部屋の壁にある、薄気味わりぃハートを彫ってやるよ。」




「…泣くんじゃないのかよ。」




私は、笑った。


イリヤも、笑った。




「泣かねぇな。お前が望んでそうしたのなら、俺は棺桶に向かってクラッカーを鳴らしてやるよ。」




チャイムが鳴って、静かな校内が、ざわめきだした。