「おい、リア。お前、んなとこで何やってんだ?」



階段を降りたところに、寝そべってコーヒーを飲むイリヤがいた。



「屋上、行ってた。速攻で追い出されたけど。」


「あの警備のおっちゃんだろ?すげぇ勢いで追いかけてたよ。
多分、お前が死ぬと思ったんじゃねぇの?
昔、あったらしいぜ。自殺未遂。
あ、なに、お前、死ぬの?」



あ。そうゆうこと。


人が落ちたって、故意にね。



「…死ぬわけないじゃん。」




私はイリヤの缶コーヒーを奪って、飲み干した。



「甘。」



「俺は甘くないと飲めないんだよ。」



吐き気はいつの間にか、消えていた。