彼女は、椅子に座るなり 背もたれに体重をかけるようにしながら、窓の外を見ていた。 私もおなじように、外を見てみたけど いつもと変わらない景色に、10秒で飽きた。 だってそこに見えるのは 隣の校舎の壁と苔。 でも驚いたことに 彼女の口元は微笑んだような気がした。 一体、何に? 彼女には、私には見えない何かが 見えるのだろうか?