FRESH LEMONADE

「松岡さんさぁ、やる気あんの?ないなら帰ってくれていーんだけど。松岡さんいない方がやりやすいし」


「てか、いっそのこと学校来なきゃいいんじゃない?松岡さんのことなんか、誰も覚えてないんだしさ」



玲ちゃんと、頑張ろうねって言い合ってから体育館に入った。


けど…


あたしの目に映ったのは、皆に囲まれてヒドイ言葉を浴びせかけられている松岡さんだった。


どうやらいつもの嫌がらせは始まってるみたい。


しかも、いつものよりタチが悪い。


「咲季、この状況どういうこと?なんかあったの?」

玲ちゃんが咲季ちゃんに話し掛ける。

咲季ちゃんも、あたし達と同じで嫌がらせには参加してない。

というより…

あたしと玲ちゃんと咲季ちゃん。

この3人以外のほとんどの女の子が、松岡さんへの嫌がらせに参加してる。


「サーブミス」

「え?」

「松岡さん、3回サーブミスした。そしたらあいつらがキレて…あんな状態」


言い終えたあと、咲季ちゃんはため息をついた。


なにそれ…

サーブが出来ないからって、なにもあそこまで言う必要ないでしょ…

松岡さんだって、わざとミスしてるわけじゃないのに…