FRESH LEMONADE

「今日やたら気にしてたコいただろ?諒介、昔はあーゆーのと付き合ってたんだ?」

「ああ、松岡さんのこと?別にロリコンじゃないだろ。」


いやいや。
ロリコンだろ、完全に。


松岡さん、黙って置いといたら小学生って言ってもイケそうだし。


「意外だわー。諒ちゃんて、大人なお姉さま系が好きなんかと思ってた」 

「…似てんだよ、夏海に。」

「…夏海って、夏海さん?」

「そ、夏海さん。びっくりするくらい似てた。だからさ、つい凝視だよね、松岡さん。まぁ…性格は正反対だろうけど」


なるほどね。
“昔の女”って、そういうことか。


「諒ちゃん、なんか俺しんみりしちゃったんだけど」

「…俺も。もっと楽しい話しよーぜ?つーかさ、カラオケ行かね?UFOキャッチャーでオールは無理だろ」


確かに。
そもそも、なんで俺UFOキャッチャーにこんな熱中してんだろ…



「んじゃ行くか、カラ館。…あ!1曲目はザ・ピーナッツだから」

「…なんで?お前、ピーナッツ好きだっけ?」

そういう問題じゃないんだよ、諒介くん。
分かってねぇなぁ。


「ピーナッツはな、テーマソングなんだよ。俺と瀬戸内さんの!!」

「…やっぱ英嗣、恋の季節到来じゃんか」

「ばーか!季節じゃなくてバカンスだっつーの」



俺たちは、カラ館へ繰り出した。



高校生っつたってあんま期待してなかったけど。


諒介がいて。


瀬戸内さんがいて。


夏海さん2世(あ、松岡さんね)がいて。




なんか、案外楽しい高校生活な気がしてきたわ。