FRESH LEMONADE

関くんと高塚くんは、あたしが降りる駅でなぜか一緒に降りた。


「…なんでここで降りるんですか?」

聞くだけ無駄かも知れないけど、一応聞いてみる。

「瀬戸内さんが降りたからー」

「英嗣くんが降りたからー」


やっぱり…

この人たち、本当に自由だなー…

とりあえず、あたしはさっさと家に帰ろう!!
じゃないと、なんかしらに巻き込まれる気がする…


「じゃあ、あたし家帰るから。また明日ね」

「帰り道、気を付けてな。変な奴らについてっちゃダメよー?で、もし怪しい奴見かけたら、即ダッシュで逃げること」


高塚くんは、意外と心配性らしい…

てか、ちょっとお父さんっぽい


さて…

そろそろ帰りますか…


「瀬戸内さん…」

せっかく帰る雰囲気が漂ってたのに、関くんに呼び止められる

「なに?」

「俺も諒介もさ、バカみたいっつーか、マジでバカなんだけどさ…」

「…うん?」

「…とりあえず、3年間仲良くやろーぜ。よろしくな!!」


そう言った関くんの顔には、爽やかなスマイル。


…やっぱりこの人、王子様っぽい。


「こちらこそ、よろしくね」


負けじとあたしも、自分的には極上なスマイルで返事をした。

あたしのスマイルなんて、きっと王子様にはかなわない。


勝ちたいから笑ったわけじゃない。
これは、あたしなりの照れ隠し



不覚にも…

王子様のスマイルにときめいてしまったことへの、照れ隠し