初日のホームルームが終わって、多くの新入生たちがぞろぞろと家路に着くなか、なぜかあたしは関くんと高塚くんと一緒に電車に乗っていた。
「瀬戸内さん、今日はごめんねー。ウチの英嗣が色々とご迷惑おかけしまして」
電車に乗り込んですぐに、高塚くんに謝られた
高塚くんは、関くんの保護者ですか…?
「それ、まるで俺が問題児みたいじゃん?諒ちゃん、ひどっ!!」
“ご迷惑をおかけした”張本人の関くんは、どうやら高塚くんの言葉に不満があるみたい。
口を尖らせて、膨れっ面。
けど、そんな顔をしてもやっぱり格好いいのはもう流石としか言い様がない。
「…あの、なんで2人はこの電車で帰るんですか?」
北浜中の学区は、港南中の学区とは真逆。
一緒の電車になる筈無い2人と共に下校するこの状況を不思議に思ったあたしは、聞いてみた。
「あぁ。瀬戸内さんがこの電車乗るの見たからつい乗っちゃった!!」
「英嗣が乗っちゃったから、俺もとりあえずついてきた!!」
……何ですか、その理由。
「まー大丈夫っしょ。こっちならカラオケもゲーセンもいっぱいあんじゃん。諒介!!今夜はオールだろ?」
「英嗣に合わせるよ。あ、替えのパンツ無いけど」
確か担任の先生が…
『高校入学くらいで浮かれすぎないように』
って言ってた気がする…
……この人たち、浮かれすぎてて危ないんですけど

