もう駄目だと思って目を閉じた瞬間………



鈍い音ともに矢野さんの手から解放され、誰かに寄り掛かっていた。



この香り………




「誰なんだよ」


矢野さんが怒ったように言う。



「誰でもいいだろ。それより……この子、俺のだから」



この声………


榎本さん……!!