我慢していた涙が一気に溢れた。 「やっぱり行ってほしくないです……」 榎本さんはあたしを解放し、あたしの頬を伝った涙を拭いてくれた。 「それは無理なの」 「じゃあ結婚でもしてついて行きます」 「簡単に結婚なんて言わないの」 何を言っても無理だってことはわかってる。 だけど傍にいたいの。