榎本さんは最後まで静かにあたしの話を聞いてくれた。 途中からあたしの手を優しく握ってくれた。 「今までお母さんたちは、あたしを成実ちゃんだと思って育ててくれたのかなって……」 「それは違うと思うよ」 「べつにいいの。大切にしてくれてるのには変わりないし……。あたし……お母さんとお父さんが好き。血は繋がってないけど大好きなの。だけどやっぱり………」 涙が溢れ出した。 とまらないよ………