愛し方を忘レた僕等




「・・・・・・・・」

何黙ってんだよ・・・。
なんかイライラしてきた。

朝から意味がわからない。
あたしはもっと寝てたいんだよ!

「てめぇ・・・」

うわ、睨みがすごい・・・。
でもさすがに、朝から事件起こしたコイツに何か言わなきゃ気が済まない。


「こんな朝から家にのり込んできて、迷惑なんだけど!昨日のアノ約束も意味わからないし!いつまでも奴隷とか言ってんなよ!ガキかよ!」



ふー。
ついに言ってやった。


「てめぇはいつからそんなに偉くなったんだ?あ?つーかてめぇ、あの男と登校してるらしいじゃねーか」


・・・・・・は?
またカイチの話?

「別にレイトには関係ないし。てゆーか、昨日からカイチカイチって、ウザイんだよ!」


寝起き悪いから言いたい放題のあたし。

その瞬間、悪魔のような顔になったレイトは、あたしの首に顔を埋めてきた。


「――――ッ!?やだっっ!!」

チクッ

「ちょっ!い・・・たぁ・・・」


あたしの震える声に気付いて、レイトは顔を離した。


「お前は俺のだから」


そう言い放つと、何事もなかったように、窓から出ていった。

・・・窓閉めろよ!



てゆーか・・・・・・
今・・・・あたし・・・。
ナニサレタ?


鏡で首もとを映すと、2つの赤い・・・キスマーク?

・・・・・・。
ぎゃああああ!

なにこれ!最悪!
制服きても丸見えじゃん!


あたしはファンデーションを塗りたくった。
それでも完全には消えてくれない。


「・・・ふっ・・・ぅっ・・・」

涙が止まらない。
悔しい!


この時に、レイトが見ていたなんて、気が付くはずもなくて。

ただ泣くしかなかった。