「その時の藍田さん……太陽みたいだった!」
優輝は少し顔を赤くし大きな声でゆきに言ったまるで自慢するように…
「太…陽?…わたしが?」
「そう!!!太陽だった。明るく照らしてくれる太陽、緑を元気にしてくれる太陽だよ!」
優輝は目を細くし目一杯笑ってる
「また藍田さんに太陽みたいな笑顔で笑ってほしいんだ!」
あぁ…だからあの時
“ねぇ…どうすれば笑ってくれるの…?”
って…言ったんだ…
私の笑顔を、彼は…
優輝くんは知ってたんだ…
その時また、ゆきの頬に温かい涙がつたった…
でも…ね…
ゆきは首を横に振り
「私は…太陽になんか、なれないよ…優輝…くん…みたいに…笑えない…」
ボロボロと落ちる涙がスカートに染みていく…
「もう…あの頃とは…違うんだよ…」
あの時は一瞬だけ、ほんの少し心の扉が開いた…
“頑張って生きたい”
そう思ったけど…
過去を引きずったままの私はそう簡単には踏み出させてはくれなかった…
心どこかで聞こえる…
「「「どうせまた。みんな消えて居なくなるんだよ。信じちゃだめだよ。誰も…」」」
って…
