魔王様はボク


鳥の羽ばたきが聞こえた。
ちょっと大きめの音。

鷲とか鷹かな…。

そんなことをぼんやり考えながら、ゆっくり目を開けてみた。
真っ白なシーツが見えた。

あれ、ボクのベッドのシーツは茶チェックだったはず。
ここどこだっけ。

これはあれか。
アルコール摂取して気づいたら知らない誰かとベッドで寝てて、何があったのか記憶がないというベタなあれか。
ということは寝返りを打ったら隣に誰かが寝てるかも…。
ドキドキ。
なんて嘘だけど。

ボク未成年だし。
アルコール強いらしいし。
自らの想像ながら引くね。

自分の状況がじんわりと理解出来て来る。

ゆっくりと体を起こした。
頭をがりがりと掻き、目を覚ます。
フェイが寝ていたベッドを見ると、もぬけの殻。
どこかに行ったのかな。

ふいに窓の方からバサバサと羽音が聞こえた。
そちらをゆっくりと見る。


「おはよぉレオン。」


窓枠にしゃがみ込んでいるフェイがいた。
いつものように笑みを浮かべている。
窓の外から来たらしい。
翼が出てるから、飛んできたのかもしれない。


「…おはよう…。」


そういえば鳥に限らないが、動物は大概が早起きだよね。
惰眠を貪るのは大概が人間。
フェイは魔族だから、どっちかというと鳥の分類に入ったりするんだろうか。

ああ、眠い。
あと6時間は寝てられそうだ。


「あ、寝ちゃダメだよぉ。起きて起きてぇ。」


お見通しだったか。

ボクは寝起きで怠い体を引きずり、洗面台に向かった。
途中で壁に頭をぶつけたが、なんとか辿り着いた。

蛇口を捻ろうとして、それがないことに気づいた。


「…。」


蛇口に似た水が出てくるであろうものと、小さな青い、紐が通してあるひし形の石。

昨日はこんなんじゃなかったはずなんだけど。
普通の蛇口だったような気がする。

それより水、どうやって出すんだろう。
もういっそ、シャワーで顔洗っていいかな。
あれなら使えるし。