着崩した学ランからみて
学生だと分かる。

アタシはベンチの端に座り携帯をいじっていた。


「ばっかみてー」

アタシは顔をあげた。


隣の顔をよく見ると…

「羽柴ブラザー?!」

こんなとこで会うとは。

彼はアイスの棒をくわえ、ボーッと正面を向いていた。

「なんでここにいんの」

「通学路だし」

そういえばこの辺に
中学校がある。

「あんたガチで中学生なんだ」
彼は“は?”みたいな顔をしていた。



「お前今度はあの男かよ。どこがいいんだ?」

横山のことをいっているらしい。

「ただのバイト仲間。買い物に着いてこられただけ」

ふーん、と彼は興味なさそう。



「おい、香川蘭子」

羽柴ブラザーが言ったので
不思議に思う。

「なんで名前知ってんの」

するとネームプレートを差しだしてきた。

落ちてたらしい。


「ねえあんた名前なんていうの?」


アタシの質問にはシカト。