眠れぬ夜は君のせい

離したくなかった。

逃げて欲しくなかった。

消えて欲しくなかった。

でも、彼女は消えてしまった。

どこかへ逃げてしまった。

蝶のように、どこかへ行ってしまった。

「正宗様」

コンコンとドアをたたく音と同時に、谷田部の声。

「何だ?」

「章子様がお見えです」

章子だと?

俺が会いたいのは、あげはだけなのに。