眠れぬ夜は君のせい

触れるだけのそれはすぐに離れる。

「……正宗様」

あげはが言った。

「どうして、何も言わないんですか?」

それは、どう言う意味なのだろう?

黙っていたら、あげはが続ける。

「わたしは……吸血鬼です」

「わかってる」

だから何なのか。

そんなことは、もうわかってる。

「人間の血を食らう吸血鬼を、世間に出そうと思わないのですか?」

そう言ったあげはは、真剣だった。