私が狙われてたんだよね…。 「若姐さん、若旦那は強い人なんで、絶対に大丈夫です」 「…。うん、そうだね。晴彦の言う通り」 そう言うと、安心したのか、少し晴彦の手が緩んだ。 ごめんね。 晴彦。 一瞬の隙をついて、私は走った。 全速力で、目の前に見える堤防に向かって走る。