必死に汗をかきながら、晴彦がロープをほどいてくれる。 「ありがと!やっと口がきける」 急いでテープをはがし、揉み合っている場所を見た。 「佑斗は!?」 あまりにも、人が多過ぎてよく見えない。 「とにかく、危ないから。若姐さん、逃げましょう」 そう言うと、晴彦は私の腕を掴んだ。