こんな広い倉庫に、泰久と二人。


「ねえ、何で私を縛ったりしないわけ?」


“秘密のフィアンセだって知ってる”


そう言ってから、黙り込んだ泰久に、イライラしながら尋ねた。


すると、ゆっくり私に目を向ける。


「迷ってんの」


「迷ってる?」