「案外、簡単に出られたな」 息が切れ切れになりながらも、急いで大通りに出た。 佑斗の事だから、すぐに私が逃げた事は分かるだろうし…。 走っているタクシーを止めると、S市までお願いする。 洸輝の家、すぐに見つかるかな…。 そんな心配をしていたら、案の定、佑斗から電話がかかってきた。 もちろん、無視したけど…。