「私には、出来ないのよ。この世界にも、複雑な事情があるんだから」 「あっそ」 適当に返事をすると、紅茶を飲み干して、席を立った。 「じゃあね、美紅」 「ちょっと、由奈!」 後ろで、呼び止める美紅を無視して、私は店を出たのだった。