【完全版】秘密のフィアンセ☆ 下




「そう…洸輝。今朝、たまたま話しかけられたの」


何とか意を決して聞いてみたけれど、内心はドキドキだ。


だって、“洸輝”の名前を出した途端、佑斗の眉間のシワは、さらに深くなったから。


「お前には関係ないよ」

そう言うと、佑斗は部屋を出て行こうとした。


「ちょっと待ってよ。関係ない事はないでしょ?」


喰ってかかろうと、佑斗の腕を掴んだ時、


「うるせぇな!しつこいんだよ!」


大声で怒鳴られて、腕を振りほどかれてしまった。