「弥英ちゃん、何飲む?」


 俺がそういうと弥英ちゃんはうつむいて黙りこくっている。

 もしかして泣いているのか…?


 「弥英ちゃ…」

 「和くんは、ママが死んで悲しい?」

 「え…?そりゃ悲しいよ。」


 さっき泣いていたのがうれし泣きにでも見えたのか?

 てか誰かの死が悲しいのは当たり前だろう?


 「それは…まだママが好きだから…?」


 そういって顔を上げた弥英ちゃんは泣いていた。

 けれどそれと同時にすごく顔は真っ赤だった。


 「何言って…」

 「私、知ってるんだよ?和くんがママのこと女として好きだったこと」


 そういわれて自分の顔が真っ赤になるのが分かった。

 ていうか俺10個近く違う子にまでばれてたのかよ、恥ず…っ


 「あ、えっと…そういうの抜きで悲しいよ。奈那子さんは俺のおばさんだし」


 しどろもどろで俺は答えるけどなんか嘘っぽい。

 でも悲しいのは本当なんだ。