ダカダカと仕事を片づける。
それでもやっぱりこういうものは次から次へと増えるものであって…
俺はついに弥英ちゃんと同居し始めてから初の残業をすることになった。
はあとため息をつくと藤沢が「今までが奇跡だったんだ」と鼻で笑った。
そんな藤沢の椅子を軽く蹴って、休憩室へと向かった。
「引き取っておいてなんか申し訳ないな」
そんな罪悪感にかられながら、弥英ちゃんに電話を掛ける。
数コールのあと、弥英ちゃんの「もしもし」という声が聞こえた。
「あ、弥英ちゃん?和臣だけど、今日残業になっちゃって…」
『そうなの?わかったよ~』
「夕飯なんだけど」
俺がそこまでいうと弥英ちゃんは「あ」っと思い出したように言った。
「なるべく早く終わらせるからさ、今日はどこか食べに行こうか?」

