「松崎さんも桐島は鈍感だと思うよね?」
下野がにこっと笑いながら松崎さんに尋ねると、松崎さんはあわて始めた。
そんな松崎さんがかわいそうになって仲裁に入ると、下野がため息をついた。
「はあ、これは本物だな…松崎さん、ごめんね?」
「いっ、いえ…それじゃ、私はこれで!」
そういって松崎さんはいそいそと走って行ってしまった。
っていうか本物ってどういう意味だよ
「まあ、僕から言えるのは君に近々びっくりするような事実がたたきつけられるってことぐらいかな?」
「わかってるなら教えてくれてもいいじゃないか」
俺が文句を言うと2人はため息をついた。
「プライバシーにかかわることだからな。自分で考えなさい。」
「おっしゃ、お仕事しますか!」
二人は俺をシカトして食器を片づけに行ってしまった。
俺の謎は深まるばかりだった。

