「弥英ちゃんかわいそう~」
「馬鹿、俺は犯罪者になりたくねーんだよ」
ぐりぐりと由宇の頭を撫でると由宇は痛そうに顔をゆがめた。
「先が思いやられるよ~」
なんて言いながら由宇は改札を出て俺のマンションまで向かう。
「あ、もう父さんたち荷物おろしてるよ!」
「和臣ー、鍵あけなさーい!」
はいはい、と返事をして自分の部屋のカギを開けると父さんたちがどかどかと弥英ちゃんの荷物を運びこむ。
にしてもやっぱり荷物多いな…
「母さーん、俺弥英ちゃんのために一部屋開けるからそっち頼むわー」
「ちゃんときれいにするのよ!」
俺は弥英ちゃんのために今まではあまり使っていなかった部屋のものを自分の書斎として使っている部屋に運び込む。
由宇が泊まりに来た時に使っている布団を弥英ちゃんの部屋になるところへ運び込む。
それを見て親父たちも弥英ちゃんの荷物を運びこんだ。
弥英ちゃんはお礼を言いながら段ボールを開けている。

