「かーずーにーぃ!」


 遠くで由宇が俺を呼ぶ声が聞こえる。

 さっさと行かないと由宇と母さんがうるさいだろうなぁ…


 「んで、荷物こんなにあるわけ?」

 「女の子にはいろいろ必要なものがあるんだよ、和にぃ」


 ちっちっちと顔の前で人差し指を振る由宇。


 「こんなに部屋に入るか分かんねえよ~」

 「和臣が何か捨てればいいじゃん」


 さらっと真顔で言う母さんが恐ろしすぎる。

 てか俺の部屋なのになんでだよ~


 「和くんごめんね…ママのものもあるから」

 「ぅぐ…」


 そういわれると何とも言えない。

 親父、母さん、由宇、弥英ちゃん、俺の5人で弥英ちゃんの荷物を部屋から運び出す。

 それを親父の車に積み込む。

 だけどこれじゃあ後ろに誰も乗れないじゃねえか…