「おーやーじー!!」


 助けを求めるように親父を見るとぐっと親指を立てて微笑んでいる。

 見捨てやがったなー!!


 「荷物は近日中にまとめればいいよね。必要なものだけ持って和臣の部屋に行きましょ!」


 そういって母さんは弥英ちゃんの部屋へと入っていく。

 由宇は鼻歌を歌いながらそのあとについていく。


 「母さん、さすがに引っ越しは明日にしよう」

 「それもそうね…近所迷惑になるわよね」


 母さんはちっと舌打ちをして弥英ちゃんと由宇を連れて弥英ちゃんの部屋に入っていった。

 母さんは言い出したら聞かないからこれはもう無理だな…