親父たちが喪主である弥英ちゃんのそばについてきてくれた方々に挨拶をする。

 俺と由宇は2人で受け付け係をした。

 たくさんの人が来てくれて奈那子さんはいろいろな人に愛されていたんだな、なんて痛感する。

 あわただしく受付をしていると式が始まり、俺と由宇もいそいそと参列する。



 献花をするとき奈那子さんの顔を直に見るのは最後なんだな、と思うと涙が止まらなかった。

 ちらりと横を見ると由宇も同じことを考えていたのか泣いていた。



 そのあとはまた忙しさに埋もれた。

 やっと一息つけたのは葬儀が完全に終わり、奈那子さんが一つの小さな箱に納められたあとだった。

 その箱を見つめてうずくまっている弥英ちゃんの背中を由宇が優しく撫でている。



 「弥英ちゃん、和、由宇。大事な話があるからこっちに来なさい。」


 親父がそういうと由宇は弥英ちゃんに何かをいい、二人で俺たちのいる奈那子さんの家のリビングにやってきた。