それでも、キミが好きなんだ




今日は早い。


もしかして

気使ってくれたのかな。



「り、理世ちゃん!おはよう!」


私は理世ちゃんの元へ。


頑張って離れなきゃ。


私の陸斗君への気持ちが
大きくなっちゃう前に。



授業中に陸斗君に話しかけられたら、適当に相槌をうって


休み時間には陸斗君に話しかけられる前に理世ちゃんの元へ。



胸が苦しく痛むけど


こうするしかないの。



ごめんね、陸斗君。



――放課後。


「桜沢、今日は勉強会来るのか?」


陸斗君が私に聞く。


…あ…


「だ、大丈夫!今日からずっと理世ちゃんと勉強会するから!」


私は陸斗君に言う。


「じゃあ、一緒に…」


「ごめんね!じゃあ…」


私は強引に理世ちゃんの手を引き、教室を出る。



はぁ…

嫌われちゃったら
どうしよう。


だ、だめ!



諦めがついたらまた、
頑張って友達になれば良い。