それでも、キミが好きなんだ




陸斗君は夏穂さんと教室を出る。


「陸斗、夏穂さんより大人だよなぁ。」


浩太君が言う。


陸斗君…。


陸斗君と夏穂さん、お似合いだったなぁ。



何で


気付いちゃったんだろ。

陸斗君が好きだって。



何で


こんなに苦しいんだろ。



初恋の時は注射をされただけで好きだった先生が苦手になったのに…


簡単に諦められないみたい。



あー…そっか。


本気の恋…なんだ。



「美鈴ちゃん?」


浩太君が私を見る。


「ん?」


「もしかして…」


「お、お昼食べよ!」


泣かないようにしながら私はお弁当を食べる。


「美鈴…」


理世ちゃんは心配した表情。


初めての本気の恋は切なくて苦しい恋でした。



私の胸の痛みはなかなかおさまらないでいた。


何で、陸斗君を好きになっちゃうんだ。