――グイッ。
…え…
「危ねぇな。」
陸斗君は私を抱き寄せ、言う。
「だ、大丈夫だから!」
うっ…ドキドキが聞こえちゃうよーっ。
「だめだ。お前はちっこくて細っこいからな。潰されるだろ?」
「そ、そんな事ないよーっ。」
うぅ…
本当にドキドキして
顔が熱い。
陸斗君の温もりが、
匂いが…。
うっ…
り、陸斗君!
「ようやく着いたな。」
「う、うん…」
「お前、顔赤いぞ?熱中症かな…」
陸斗君は私の頬に触れる。
わわっ…
「だ、大丈夫!私、超元気!」
「ぷっ…何だよ、それ。暑さでおかしくなったか?」
陸斗君は笑って言う。
違うんだよ。
陸斗君がおかしくさせてるんだよ…。
もう、やばい。
特別な扱いを感じる度、おかしくなる。
彼女…なんて本当にまだ信じられなくて。