「…はぁはぁ…」


自然の家の外のベンチの前に着くと、陸斗君は立ち止まる。



「わ、悪い。風呂上がりなのに走らせて…」


「だ、大丈夫!」


てゆーか…

何が何だか…



けど、陸斗君…普通だ。


「よ、良かったぁ…」


「桜沢?」


「陸斗君、普通に話してくれた!」


「…悪かった。」


「良いの!陸斗君にしつこく話しかけた私が…」


「桜沢は悪くないんだ。」


…え…


「ごめん。誤解してた。」


「え?」


「浩太とお前の事。高田から聞いた。」


理世ちゃんから…


「ごめん。いじめられてるの気付けなくて。俺のせいだ…」


「陸斗君は悪くないよ!」


「桜沢が辛いのに、俺は…」


「陸斗君?」


「桜沢、俺…桜沢に伝えたい事がある。」


「…え…」


陸斗君は真剣な表情で私を見つめる。