「悪いが、俺…チョコレートが苦手なんだ。」
「…え…」
「気持ち悪くなるっていうか。」
「じゃ、じゃあ…バレンタインデーって…」
「くれる奴には悪いけど、辛い行事だな。毎年、たくさん貰うんだよ。」
「じゃ、じゃあ…これあげる!」
私は陸斗君にポテチを見せる。
「何だ?これは。」
ま、まさか…
「ポテトチップス…知らないとか?」
「ああ。聞いた事はあるが…食った事ないや。我が家は厳しいからな。」
お、お坊ちゃまって生活スタイル違うんだなぁ。
「そっかぁ。じゃあ、二種類あるから一緒に食べよう!」
「ぷっ…」
「り、陸斗君?」
「お前、遠足かよ。そんなにお菓子持って来て。」
「だ、だって…あまり学校行事出た事ないから…楽しみでつい。」
いっぱいお菓子持って来ちゃったんだよね。
「小学生みたいだな。本当、お前面白い。」
陸斗君は笑う。
り、陸斗君のツボが分からない!


