「あれ、マフィンなんだ?」
「り、陸斗君はこっちのが好きかなぁって思って。」
友チョコじゃなくて、
友マフィン…。
私なりの特別扱い。
その事は内緒…だけど。
「すっげー嬉しい。いただます。」
陸斗君はマフィンを食べる。
「お、美味い!」
「良かった!」
喜んで貰えた!
「ありがとうな、桜沢。」
「へ?」
「すっげー気に入った、これ。」
「よ、良かった!」
本当はね…友マフィンじゃないんだ。
本当は…
たくさんの想いをこめて作ったんだ。
たくさんの好きがある。
本当は本命なんだ。
けど、本命では渡せないから。
陸斗君との今の関係を壊す事になるのは嫌だから。
「帰ろうぜ、桜沢。」
「あ、うん!」
「また、来年もよろしくな?」
「う、うん!」
来年の私はどうなのかな。


