今はまだ
辛いけど…。
これからは陸斗君にそんな表情をさせないで…。
お願いします。
陸斗君の胸の痛みは私が思ってるよりきっとずっと痛いもの。
私には何をしてあげれば良いか分からない。
ただ、陸斗君が笑顔に戻れるよう祈る事しかできないんだ。
「桜沢、スープ…ありがとうな。」
落ち着くと、陸斗君が私に言う。
「いえいえ。」
「桜沢のおかげで少し落ち着いた。サンキューな。」
「良かった。」
「…明日、親にちゃんとこの事を上手く話すよ。」
「う、うん…」
「じゃあ、また…学校でな。」
「う、うん!またね。」
私が言うと陸斗君は笑って、部屋を出た。
今はすっごく辛いかもしれない。
陸斗君と夏穂さんが過ごしてきた時間は長かったから。
だけど
少しずつ、陸斗君に笑顔が戻ると良いなぁ。


