「…っ…」
私は会場から離れる。
その場にはいられなかった。
逃げちゃ、だめなのに。
現実を受け入れなきゃいけないのに。
外に出ると強い風が私の髪を揺らす。
「…っ…」
涙が止まらなくなる。
来なければ良かった。
苦しい思いをするだけなら。
そんな事思ったって、現実から逃げるだけ。
どうして、私は大好きな人の幸せを心から願えないんだろう。
どうして、心から祝えないんだろう。
友達で良い、見てるだけで良いはずなのに。
それ以上を期待しちゃだめなのに…。
陸斗君を好きでいる事が切なくて苦しい…。
何度も繰り返す、胸の痛み。
「美鈴ちゃん…」
…あ…
浩太君が来た。
「どうして、陸斗君なのかな…」
「美鈴ちゃん…」
「叶わないのにどうして?」
おかしいよ。


