それでも、キミが好きなんだ




料理を運んだり、
オーダーを取ったり。


ホールはホールで楽しい。



忙しいけど…





だけど


「君、可愛いね。メアド教えてよ?」


「あ、あの…困ります…」


オーダーを取りに行くと、大学生くらいの男子が私に声をかける。



「良いじゃん。にしても、ずいぶん可愛いカッコしてるね。」


彼は私の腕を掴み、言う。



――ビクッ。


どうしよう…。



すると


「痛っ!」


…あ…


陸斗君が彼の腕を掴む。



「用もないのにうちのメイド、呼び付けるのやめて貰えます?」


「俺は彼女と…」


「営業妨害するなら出てけって言ってんだよ。」


陸斗君は冷たく言い放つ。



すると


彼は出て行った。



…ほっ。


「大丈夫か?桜沢。」


陸斗君が私に聞く。


「だ、大丈夫!ありがとう、陸斗君…。」