それでも、キミが好きなんだ




だけど


着物を着た髪の長い女のおばけがいきなり井戸から現れて…



本当にリアルだぁ!


「きゃあ!」


私は怖くて誰かにしがみついてしまった。


…あ…


り、陸斗君!


「ご、ごめん!」


私は慌てて陸斗君から離れる。


「だ、大丈夫だ。」


わ、私ってこんなびびりだっけ!?


「…桜沢。」


「は、はい?」


「お前、色々心配だから。」


陸斗君は私に手を差し出す。


…っ…


私は陸斗君の服の袖を掴む。


「大丈夫か?そんなとこで。」


「へ、平気!」


そういえば…

校外学習の時もこんな事あったなぁ。


あの時、私は自分の気持ちに気付いたんだ。



けど


あの時より今のが陸斗君への好きは大きくて。



どうしようもないくらいただ、好きで。