それでも、キミが好きなんだ




「こ、怖くない…大丈夫なはず!」


私は自分に言い聞かせながら歩く。



だけど


いきなり足を掴まれ…



ひゃあっ…


「美鈴ちゃん?」


「桜沢?」



こ、怖いよぉ!



「うぅ…」


私は涙目になる。



「先進むぞ!」


「おぅ!」


陸斗君達は普通だ…。



大丈夫!


怖くない!



大丈夫…


いきなり暗闇からおばけ役の人が脅かしてきた。



メイク、リアルだ…。


「ご、ごめんなさい!来ないでーっ!」


私は泣きながら言う。


「桜沢、大丈夫かよ?」


陸斗君が私に聞く。


「だ、大丈夫…」


「泣いてるじゃん。」


「うっ…」


「無理するなって。怖かったら手握っても良いぞ?」


「だ、大丈夫だもん!」


私は陸斗君より先に歩き出す。