それでも、キミが好きなんだ




「これ、ありがとう!」


私は陸斗君にブレザーを返す。


「あ、ああ。」


「あと、これも!」


私は陸斗君にいちごミルクを見せ、言う。


「ああ。」


「どうしたの?私に何か用事あったの?」


「いや、もうすっかり暗いし…桜沢、一人で帰すのは心配だから。」


「寮まで近いから大丈夫だと思うけど…」


「だめだ。」


「陸斗君は優しいね。ありがとう。」


私が言うと陸斗君は照れたのか、私から視線を逸らす。


「陸斗君?」


「さ、さっさと行くぞ。」


「うん!」


久しぶりだなぁ。


陸斗君とちゃんと話すの。


今までは忙しくて、あまり話せなかったから。


久々に一緒に歩くだけで
緊張するよ。


「桜沢、頑張ろうな。明日。」


「うん!いっぱい楽しもうね。」


「今年は他のクラスはおばけ屋敷が多いらしい。」


「本当に!?回れるとこ限られちゃうなぁ。」


怖いの苦手!