それでも、キミが好きなんだ




「あいつらの前で褒める事はどうもできなくてな。悪かった。」


陸斗君が言う。


だから

ずっと何も言わなかったんだ。


「あ、ありがとう!陸斗君…」


すっごく嬉しい。



陸斗君に少しでも良い。


女の子として意識してもらいたくて。



ちょっとだけでも
良いんだ。


その一言がただ愛しい。





「美味しい!」


「冷たくて美味いな。」


私と陸斗君は冷やしパインを食べる。



彼女じゃないのにこんなに幸せな時間を過ごして良いのかな。


理世ちゃん達とはぐれた私達は合流するまで二人で回る事に。



一日でも、ちょっとでも嬉しい。


本当のデートじゃないけど、陸斗君と二人で過ごしてる。



夢みたいだ。


けど

夢と同じでそんな時間は一瞬であっという間なんだ。


分かってるのにな…