それでも、キミが好きなんだ




だめだなぁ。


どんどん好きになってく自分がいる。

どんどん夢中になってく。



いつもより近くにいるだけで胸が苦しい。


「桜沢、数学できたか?」


「多分、大丈夫かな。」


「良かったじゃん。桜沢、頑張ってたもんな。」


陸斗君は笑って言う。


陸斗君のおかげだよ。



絶対、平均点以上取りたい!


「次は化学だな。」


「か、化学…」


またまた苦手教科!


「大丈夫だって。とりあえず、まだ少し時間あるし…俺が見てやるよ。」


「あ、ありがとう…」


陸斗君、優しいなぁ。



教え方、すっごく上手いし。


隣の席はかなり意識しちゃうけど…



すごく嬉しい。





「や、やっと終わった!」


試験が終わると、私は言う。



あっという間だったなぁ。


いつもより良い感じな気がしたけど、油断はできないなぁ。