「う、うん!」
好きな食べ物、
好きな音楽。
同じものを見つける度、すごく嬉しい。
ただ、それだけで幸せ。
「今度、ライブあったら一緒に行こうぜ。」
陸斗君が言う。
…え…
「い、行きたい!」
「じゃあ、行こうぜ。」
「う、うん!」
きっと
こうやって普通に誘うのは友達だから。
友達だからこそ、陸斗君とこうしていられる。
ずっとこのままが良いんだよね。
「じゃあ、ここで。」
女子寮の前に着くと、陸斗君が言う。
「う、うん!」
「また遊ぼうぜ。」
「うん!遊ぼうね!」
今日で色々な事が分かった。
陸斗君が夏穂さんにだけ見せる優しい表情。
どんなに仲良い二人を見ても、諦める事なんてできないんだって。
「じゃあな。」
「ば、バイバイ…」
陸斗君は男子寮に向かった。