「…じゃあな。」


駅に着くと、浩太君が私と陸斗君に言う。


「…え…」


「俺、寄るとこあるから…」


浩太君はそう言うと、私を心配そうな表情で見る。


…あ…


「浩太君、今日はありがとう!私はもう大丈夫だから。」


私が言うと浩太君は笑う。


「じゃあ、またね。」


浩太君はそう言うと、私達から離れた。



陸斗君と二人…。


「何の話だ?」


陸斗君が私に聞く。


「さ、さっき観覧車で少し体調崩しちゃったの。もう、大丈夫!」


「そっか。」


観覧車…。



だ、だめ!


思い出したら苦しいだけだ。



「そ、そうだ!」


私は陸斗君にCDを渡す。


「返すの忘れてた。貸してくれてありがとう!」


「どうだった?」


「ロックとか初めてちゃんと聞いたけど…すごく好きな感じだったよ。」


「良かった。やっぱり、俺ら…何か合うよな。」


――ドキッ。