「俺らも帰るか。」
陸斗君が言う。
「だな。」
「う、うん!」
あっという間だったなぁ。
「陸斗、今日は出かけるのか?」
「ああ。夏穂の家族とうちの家族で食事会。」
「いいなぁ!」
陸斗君、食事会するんだ。
そっか。
夏穂さんは許婚でもあるんだ。
結婚を前提に付き合ってるって事なんだよね。
やっぱり
私には遠い世界だなぁ。
友達と彼女の境界線を越える事なんてできない。
私はいつか陸斗君以外を好きになるのかな。
それとも、
陸斗君を嫌いにならない限り、ずっと好きでいるのかな。
苦しくて、胸が痛くて、切なくて。
どうして、陸斗君を好きになっちゃったのかな。
叶わないのに。
私の気持ちは陸斗君を困らせる事になるだけなのにな。


